摩擦攪拌接合(FSW)は、1991年にTWI(英国接合溶接研究所)が発明し、国際特許を取得している技術です。
先端に突起物(プローブ)のあるツールを回転させながら接合部に押し込み、摩擦熱によって軟化した材料を攪拌(塑性流動化)して接合します。通常の溶融溶接とは異なり固相での接合のため、金属組織が微細化し機械的性質に優れています。
この技術は、比較的新しい技術で、既にアルミニウム合金の直線接合や点接合などで実用化されており、さらに幅広い応用が期待される大きな可能性のある接合技術です。
(1) 材料を溶かさない固相接合で残留応力や変形が小さい
(2) アルミ合金や銅合金を融点以下の低温で接合可能
(3) 接合プロセスがシンプルで管理がしやすい
*接合ツールの回転・移動のみ
*ガスや充填用のワイヤーが不要
*スパッタやヒュームの発生が無い
(4) エネルギー消費が非常に少ない
(5) レーザー溶接機や電子ビーム溶接機に比べ設備が安価
2005年にTWI社と国際ライセンス契約を締結。自動車、半導体業界をはじめとする様々な製品に応用しております。
※東芝機械MP2620(U)のヘッドを独自に改良した弊社FSW専用機
① 弊社にて対応可能な材質は下記の通りです。
*アルミニウム *無酸素銅 *マグネシウム
② 弊社にて対応可能なワークサイズは下記の通りです。
*3次元形状 ⇒ X=2500 Y=3400 Z=800
*2次元形状 ⇒ X=7500 Y=4900 Z=800
③ 接合深さ アルミ系統で最大25mm
弊社では、通常の平板接合のほか、流路形状の接合を得意としており、冷却用の水路、ガスの流路などを必要とする製品のほか、削り出しでは不可能な複雑な形状の製品をFSWを駆使し製作しております。
量産に入る前の試作部品などで、お役に立てれば幸いです。